岩井志麻子(以下、岩井) 今、美魔女って流行ってますよね。ものすごい若づくりして、巻き髪して絶対40代に見えない女たち。あの人たちって軒並みセックスしてないですよ。
――そうなんですか! 30代の私たちから見ると、「ここまで頑張らないと40代の女はセックスできないのかな? 私はできないわ」って不安になるんですが……。
岩井 私の周りの美魔女はヤッてませんねぇ。むしろヤッてる女ってオバサンぽいですよ。美魔女って完全な「出オチ」、一発芸みたいなもんじゃないですか。男の人は引くんじゃないですかねぇ。私だって20代に見える50代の男なんて気持ち悪うてかなわんわ~。
――確かにいやです(笑)!
岩井 彼女たちも、男が飛びついて来なくなったのを分かってるんですよね。昔だったら男とふたりきりになったら必ず誘われてたのに、来なくなったことを認めたくないんですよ。高嶺の花になることで、「モテなくなったんじゃないの、ほらアタシ、お金かかりそうでしょ? だから男たちが敬遠しちゃうの」っていう武装として髪を巻いてるんですよね。
――そうか……。セックスがしたかったら、逆にあんな風に「若く」いる必要はないということですね。
岩井 何に一番重きを置くのかっていうことですよね。「キレイと言われたい」を選ぶと、「ヤリてぇ」っていうのは下のほうになるんじゃないですかね。美魔女は「ヤリてぇ」じゃなくって「女から賞賛されたい」人たちなんですよ。
若い女なら「キレイと言われたい」の一兎を追えば、「女からの賞賛」と「sex」の二兎を得られることが多い。だけど熟年になるというのはその両立が難しくなる、それが熟女と若い女の違いなのか。
岩井 美魔女世代(40代後半~50代前半)の女って、バブルの時に一番ピチピチだったんですよ。スカートをはいて髪が長ければ「美人」、若いというだけで「お姫様」。まんべんなく当時の女はいい目にあってるんですよ。だからいつまでもそれが忘れられなくて、オバサンになった今も自分は選ぶ側であり、選ばれる女であると思ってるんですよね。
バブルの思い出と加齢の融合、その権化が美魔女……! 20代を負け犬ブームで過ごした「卑屈世代」の私は33歳。バブル世代の女たちから「自信なさすぎ。諦めすぎ」と言われる世代だ。10年後の40代女の流行は、美魔女のような油ギッシュ文化ではなく、陰鬱風味を含めたものになりそうだ。「キレイ」と「ヤリてぇ」がここまでハッキリ分かれるのは、もしかしたらバブル世代の女性特有のものかもしれない。
――熟女のセックスをテーマに書かれた岩井さんの著書、『熟女(オバサン)の品格』『オバサンだってセックスしたい』(ともにKKベストセラーズ)を読んで、熟女のセックスでは「お金」がすごく重要なポイントになるんだと思いました。セックスをする時、若い女にとっては「自分がお金を持ってるかどうか」ってそんなに関係ないと思うんですが、熟女になるとお金があることで、セックスの相手やシチュエーションの幅が広がるというか。
岩井 そうですね、大富豪にならんでも、ある程度の小金をつかんだオバサンがこの世で一番楽しい生き物なんじゃないかと思いますよ。お金があると余裕が生まれますから、その余裕の部分が魅力になるってこともあると思いますねぇ。
――美魔女もお金がなければできないし……。それから、岩井先生は「正常位で満足できるのがお得」って書かれていますよね。
岩井 むちゃくちゃなことをしなければ気持ちよくならないっていうよりも、普通に正常位で気持ちイイっていうほうがお得だし、幸せだと思いますよ~。
――自由に使えるお金を持ってて、正常位で気持ちよくなっちゃうオバサンが最強に羨ましくなってきました!
■熟女好きの男に悪い人はいない!
岩井 バアチャンになっても、男からモテる女は「普通の人」。70歳以上の人が集まる高齢者の合コンでも、一番モテるのは、年相応のオシャレをした清潔なバアチャンなんですよ。あまりにも若づくりなババアはジジイから怖がられてましたねぇ。自分も「若さ」を要求されそうって思うんでしょうね。バアチャンたちから人気が高かったのは、全てのババアに平等に気配りができるジイちゃん。嫌われるのは、狙った人だけをロックオンしてまとわりつくジジイ。男は「気配り」で、女は「普通さ」が大事みたいですねぇ。あと、若い女好きよりも、熟女好きの男のほうが紳士ですよ。
――そう思います! 若い女好きな男って、女の加齢や性欲に対して露骨に嫌悪感を示しますよね。デリカシーがなくて優しくない。「熟女好き」の見極め方ってありますか?!
岩井 「営業熟女好き」っていますからねぇ。「熟女好き」って言っとけばウケるし、オバサンからも好感持たれますから。そう公言しといて若い女と結婚する男がいるでしょ。本当に好きかどうかの証拠って言ったら、実際に付き合ってるかどうかですよね。何事も実績がないと認められませんからねぇ。